乳酸菌が「生きてる」と「死んでる」の違いは?ただの「通過菌」になっているかも
ヨーグルトなどのパッケージに、
生きて腸まで届く乳酸菌配合!
といった記述があります。
しかし、乳酸菌が生きている必要はあるのでしょうか。
本記事では腸内フローラの特徴を基に、
◆生きている乳酸菌と死んでいる乳酸菌との違い
◆乳酸菌が生きて届いていても通過菌になりうる
◆腸内フローラを整えるためには?
といった点をまとめました。
乳酸菌が生きて腸まで届く!とは
ヨーグルトなどのパッケージに、
「生きて腸まで届く乳酸菌配合!」
などといった記述をよく見かけます。
この意味について簡単に解説します。
通常、ヨーグルトは口から摂取すると胃を経由して腸まで運ばれます。
このとき、乳酸菌の多くは胃から分泌される胃酸などの消化液にさらされるため、腸に届く前に死滅してしまいます。
そこでヨーグルトメーカーの各社は、
腸まで生きた乳酸菌を届ける=胃酸などで死なない
乳酸菌を配合することで付加価値を高めたヨーグルトを販売しています。
具体的には、乳酸菌自体を胃酸に溶けない微細なカプセルに封じ込めるなどの処置を行っています。
乳酸菌のような善玉菌が生きたまま腸まで運ばれることで、
「腸内フローラを改善できる」
といったようなイメージを持つことが期待されるためです。
腸内フローラはヨーグルトの乳酸菌で改善できる?
腸内フローラとは人の腸にある100兆個以上の腸内細菌の総称です。
善玉菌:悪玉菌:日和見菌の割合が2:1:7
となるのが理想な腸内フローラと言われています。
腸内フローラについての詳細はこちらの記事をご覧ください。
zendamagenki-review.hatenablog.com
乳酸菌が生きて届かないのは問題なし?
乳酸菌は善玉菌なので、確かに摂取することで免疫力アップなど健康へのよい効果はあります。
しかし、この免疫力UPの効果は菌自体のDNAが由来ということが最近の研究で分かってきました。
つまり、乳酸菌が存在すればDNAを取り込めるので、乳酸菌が生きているか死んでいるかはほぼ無関係ということになります。
つまり、乳酸菌は死菌の状態でも効果があるそうです。
通過菌は腸内フローラ改善にならない
腸内フローラは、善玉菌:悪玉菌:日和見菌の割合が2:1:7が理想というのが一般的な見解でした。
しかし、腸内環境は人によって様々です。
あなたが過去に食べてきた食品や食べ方などによっても腸内環境は変化します。
そのため最近の研究では、
例えば善玉菌:悪玉菌:日和見菌の割合が1:1:8の状態が最高となる人もいる
ということが分かってきました。
自分にとっての最適な割合を決めるのは腸内細菌です。
体内では100兆個もの腸内細菌が日々覇権を争っている状態です。
そのため、ヨーグルトやサプリなどの乳酸菌に代表される善玉菌を少々食べても、既存の100兆もの腸内細菌を相手に勝ち抜かなくては生き長らえません。
結果、腸内改善できずに便として排泄されるだけの通過菌になる可能性が高いと言われています。
腸内フローラを改善するには
乳酸菌を摂取しても、
◆胃酸にやられて死滅したり、
◆腸内フローラに住み着かずに排出
されていまいます。
一方で、乳酸菌を摂取したい理由は、乳酸菌などの善玉菌が作りだす体内の有用なエネルギー源(短鎖脂肪酸)を健康のために使って腸内改善をしたいためです。
つまり、必要なのは乳酸菌ではなく、乳酸菌発酵エキスと呼ばれる乳酸菌が作り出すエネルギー源(短鎖脂肪酸)といえます。
そこで、乳酸菌の摂取ではなく、乳酸菌が作り出す短鎖脂肪酸を摂取すれば善玉菌の生き死にや通過菌といったことに悩まされずに目的を達成することができます。
まとめると、乳酸菌ではなく短鎖脂肪酸の状態で摂取すれば、
◆短鎖脂肪酸を作り出す乳酸菌が胃酸で生きた死んだの問題もなくなる。
◆乳酸菌が腸内フローラに適応するしないの問題も解決。
といった利点があります。
実際、医療機関では腸内で善玉菌が作り出す短鎖脂肪酸などの乳酸菌発酵エキスが健康に働きかけることが認められています。
このように、乳酸菌発酵エキスを摂取することで乳酸菌を取り入れるよりもより効率的に健康な体を作れることになります。
まとめ
腸内改善をするには乳酸菌が生きた状態である必要はあまりないことが分かりました。
また、乳酸菌は仮に生きて腸内に運ばれても、元から存在する腸内細菌に勝つ必要がありますが、大抵は勝つことができず排出されてしまいます。
そこで、乳酸菌が作り出す乳酸菌発酵エキスに着目し、乳酸菌発酵エキス自体を取り込めばより効率的に健康的になれる。ということになります。
ヨーグルトやサプリを食べても効果を実感できないという方は、乳酸菌発酵エキスを摂取してみてはいかがでしょうか。